>

出生前遺伝子検査について

出生前診断・出生前遺伝子検査とは

「出生前遺伝子検査」は「出生前診断」の一種で、遺伝子検査による出生前診断について言います。
出生前診断は、お母さんのお腹のなかにいる胎児の状態を調べる検査のことです。胎児が産まれて来る前に状態や疾患などの有無を調べることにより、出産時に最適な分娩方法や、赤ちゃんに対する適切な療育環境を検討することを目的として行われます。
出生前遺伝子検査には「羊水検査」と「絨毛検査」があり、どちらも赤ちゃんの染色体などを調べ、先天性の疾患がないかを調べます。「絨毛検査」は「羊水検査」よりも早い時期に行うことができるという特徴があります。しかし、現在この検査を実施できる医療機関がまだ少ないこと、流産などのリスクが約1%あるという点に注意が必要です。対して「羊水検査」の流産などのリスクは約0.3%です。

出生前診断の倫理的問題

先ほど、出生前診断は「胎児が産まれる前に疾患の有無などを調べることにより、最適な分娩方法や、適切な療育環境を検討すること」と述べました。しかし、実際に検査を受ける人の多くは「出産するかどうかを決める」ことを目的にしているのが現実です。
現在、日本の法律では胎児に先天性疾患や障害があることを理由に人工妊娠中絶をすることはできません。そのため出生前診断を受けた医療機関では中絶を希望しても応じないことほとんどです。しかし、「経済的問題」や「母体の健康への害」という理由であれば変わらず中絶を行うことができるため、違う医療機関で先天性疾患や障害のある胎児の中絶を行う人が多くいます。
疾患や障害を理由に胎児の命を奪っていいのか。出生前診断には倫理的問題が大きな論点であり続けています。